クラウドベースのインテリジェント映像管理システム

概観

この顧客は、映像セキュリティ分野で名のある技術ソリューション・プロバイダーであるが、安定した顧客基盤があり、重要な市場からの要求に対応するため、クラウド対応の次世代映像管理システム（VMS）の開発を求めていた。当該システムは、現代のデジタル企業の複雑なマルチサイト監視の要件を満たすことを目的としている。その主な目的は、先進的なクラウド技術の活用により、AI駆動の分析を統合し、拡張可能性があり安全かつインテリジェントなVMSソリューションを提供することだった。このプラットフォームは、あらゆる機器からの継ぎ目のないアクセスを提供し、ユーザーの状況認識や、リアルタイム情報に基づいた意思決定の支援を強化することが期待されていた。

次世代クラウド型VMS：スケーラビリティ、アナリティクス、安全なリモートアクセスに重点を置き、現代企業が直面するセキュリティの課題に対処するために設計されたクラウドネイティブのVMSで、既存製品を置き換える。
(先進的なクラウドネイティブVMS: クラウドネイティブのVMSは、現代の企業が直面するセキュリティの課題を解決するために構築され、容易なスケーリング、データ分析、安全なリモートアクセスを支援し、既存の製品を置き換える。)
安全な接続性：VMSへのアップストリーム・データ伝送に対して確立されたセキュリティ・プロトコルとデータ保護手法を遵守して、安全なクラウド接続を可能にするためにNVRソフトウェアを強化する。
事象の検出と相関：AIベースの事象検知をエッジにおいて統合し、潜在的セキュリティ脅威を自動的に特定、関連付け、対応することで、手動監視への対応時間を短縮し、依存を低減する。
安全なWebおよびモバイルアクセス：インターネットを介したウェブおよびモバイル・アプリケーションにより安全なアクセスを確保し、リモート監視・管理機能をサポートする。

AWSのマイクロサービス・アーキテクチャとAI機能を活用し、顧客の製品提供を近代化するクラウドネイティブなVMSを設計・開発。我々の主な貢献は以下の通りである：
エッジでのクラウド接続の実現：カメラとNVR（ネットワークビデオレコーダー）のソフトウェアを再設計し、AWSクラウドサービスとのシームレスな統合を実現。これにより、カメラとNVRはビデオデータを安全にクラウドにストリーミングできるようになり、遠隔監視と管理が可能になった。
クラウドベースのアーキテクチャ：Amazon CloudFrontを利用したスケーラブルなAWSアーキテクチャを設計し、グローバルなエンドポイントに対して高速かつセキュアなビデオストリーミングを実現。リアルタイムのビデオキャプチャにはKinesis Video Streamsを、ビデオ処理とトランスコーディングにはAWS Elemental Media Servicesを統合。
イベントの検出と応答：Amazon SageMakerを統合し、イベント検出用のAIモデルをエッジデバイス上で開発・展開することで、VMSがセキュリティ脅威をリアルタイムで自動的に特定し、対応できるようにした。
Webおよびモバイル・アプリケーション: ビデオ・フィードへのリアルタイム・アクセスを可能にするセキュアなWebおよびモバイル・アプリを開発し、カメラやその他のセキュリティ・デバイスを遠隔操作。Amazon SNSを使用し、リアルタイムのアラートと通知を配信。

共同要件管理：専任のビジネス・アナリストが顧客の代弁者として、プロジェクトの技術目標とビジネス目標の整合性を確保した。
アジャイル開発：専任のオフショアチームは、ビジネス・アナリスト2名、開発者10名、テスター2名で構成された。プロジェクトは、2週間のスプリントサイクルを持つアジャイル／スクラムモデルに従った。
タイム＆マテリアル契約：主要な開発は、複数年の固定チームによるオフショアT&M契約で完了した。

成果

クラウド対応機器: この顧客は、現代のデジタル企業の要求を満たす次世代VMSソリューションの市場投入に成功した。
自動アラートと応答：AIを活用したイベントベースのシステムにより、より迅速で効率的なリアルタイム対応、プロアクティブなモニタリング、エンドユーザーの管理工数の削減が可能になった。
グローバルなアクセシビリティ：Webとモバイルのアプリケーションは、現場のオペレーターと管理者に機動性を提供し、リアルタイムの通知、ビデオフィードへの安全なアクセスを提供し、どこからでもシステム管理を可能にした。
卓越したデリバリー：さまざまな技術や製品に精通したエンジニアリング・チームを併設することで、最適なシステム設計、効率的な開発、納期厳守を実現。